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咲夜の日記 ○月×日 今日から黒焔が執事として働くことになった 戦闘能力は美鈴以上で家事はそこそこ出来るみたいだった ○月△日 最近屋敷や庭の周りのひびや亀裂が増えたようなきがする フラン様が頻繁に黒焔と弾幕ごっこをしているせいかもしれない もっとも黒焔は弾幕など放てないが ○月××日 黒焔の生傷が日に日に増えているようだった 明日は永遠亭から薬を買わないといけないかもしれない 「へぇ~咲夜さんってこんな日記を書くんですか~」 「……」 「…はっ!」 「……美…鈴、ここで何してるの?」 「ごめんなさ…ぎゃ~っ!」 グシャッ!ゴキッ!バリンッ! 「…ま た 美 鈴 か」 庭 黒焔は庭の手入れをしていた。日頃やったことがない作業だったが1ヶ月もすれば慣れてこの広い庭を一時間以内で出来るようになっていた。 「…よし、これで終りだ」 作業が終了したそのときここのメイド長(もっとも他にメイドはいなかったが)である黒焔の上司兼(奉仕活動的な)教員の咲夜がいきなり背後から声をかけてきた。咲夜が黒焔に話しかけるときは大抵仕事を頼むことだ。どうやら今回も何か仕事を頼むようだった。 「ちょっと美鈴に昼食を渡して来てくれない?」 黒焔は美鈴とは既に前の対決など忘れて仲良くしていた。 「珍しいですね、普段は咲夜さんが持っていくのに …なんかケンカでもしたんですか?」 「…別になんでもないわよ。ほらさっさと行きなさい」 どうした図星だったらしい。咲夜がぷいと顔をそらした。 「はいはい、分かりました美鈴とケンカした咲夜さん」 黒焔はナイフが投げられる前に昼食が載せられいるお盆を持って門に行くことにした。 門 「お~い美鈴、昼食だぞ」 「あ、はい。分かりました」 珍しく美鈴が起きていた(普段は居眠りの常習犯)ので黒焔は珍しそうな顔をした。それに気づいたか美鈴が聞く。 「なんですか。私が寝てないとおかしいんですか?」 「ああ、そのとうりだ」 迷わずいったので美鈴は軽くショックを受けたようだった。 「しかし、誰も来ないな。門番なんて要らないじゃないのか?」 美鈴が焦ったように言う 「私の存在意義が消えるんでやめてください!」 黒焔はたまらず吹き出した。 「ちょっと、なんで笑うんですか~」 美鈴と軽くじゃれあっているとシャッター音が聞こえた。 「なるほど、幻想入りした青年は中国を口説き落とそうとしたと…」 シャッター音のした方をみると女子高生の制服みたいな服装をした少女がメモ帳に何か書いていた。 「…誰だお前は?」 黒焔が聞く。 「いや~早速見せつけていますね~。流石幻想入りした男。レミリアが屋敷に入れたんだから余程玩具として気に入ったんでしょう」 いきなりとんでもない事をいいやがるなと黒椿は思った。美鈴がセーラー女に聞こえないように黒焔に話しかける。 「彼女は、射命丸文と言って幻想郷唯一の新聞、文々。新聞の記者なんですよ。」 「成る程、だったらぶっ飛ばしていいか? 俺、ブン屋嫌いだし」 「駄目ですよ。お嬢様が文々。を愛読しているんですからもし休刊になったら凄く起こりますよ」 「おやおや、どうやら夜のお遊びの相談でもしているようです」 射命丸が言ったことに美鈴は顔を真っ赤にした。すぐさま「別にそんなわけじゃありません!」と美鈴が返した。どうやら自分より美鈴は少しウブなようだと黒焔は理解した。 (コイツ…いつか闇討ちしてやる) 黒焔がそんなことを思っていると背後からものすごい音が聞こえた。明らかに建造物が壊れる音だった 「…ちょっと屋敷に異変がないかみてくるわ」 文が何か言っているが無視した。今は記者よりも屋敷に何か異変があるのかを確認する方が重要だったからだ。 (確実に何かが壊れた音がしたな…。そんなに壊れてなければいいが…) 黒焔は急いで屋敷に向かった。 図書館 壊れたのはどうやら図書館だった。あそこには確かパチュリーとその使い魔、小悪魔がいるはずだ。 黒焔は急いで図書館に入った。中はグシャグシャに本が散らばっていた。 「誰か死にかけているやつはいないか!」 大声で黒焔が叫んだ。 「私は死にかけていないわよ。もっとも喘息持ちだけどね。」 パチュリーが小悪魔と共に黒焔の前に表れた。 「あぁ、怪我がなくってよかったです。他に誰か怪我をした人はいませんか?」 「少なくとも図書館に入った人はいなかったから多分いないわよ」 「そうですか…で、この壊れた部分どうします?」 「材料があれば咲夜が時を止めて一瞬で治すから大丈夫よ。…それより、本が散らばったから直してくれない?」 ざっと見たかぎり本棚の3分の1位が散らばっていた。かなり手間がかかるが、病弱気味のパチュリーにやらせるのは酷過ぎるだろう。やらざるを得ない仕事だ。 「分かりました。出来るかぎり早く終わらせます」 黒焔が本の整理作業に移ろうとしたとき瓦礫が突然動き出した。黒焔は何か来るのか分からないので身構えている。瓦礫がら何かが表れた。それは人の形をしていた 「…パチュリー、わざと気づかないふりしていただろ?」 彼女は白と黒の二色で統一された服と帽子を着ていた。 パチュリーが言う 「私、ここの本棚から本を盗んだ人は気づかないようにしてるから」 「冗談きついぜ…」 どうやらパチュリーとのしりあいらしい。黒焔がパチュリーに聞く 「パチュリー様、彼女はいったい?」 「彼女は霧雨魔理沙、私の本を盗みにくる泥棒よ」 「おいおい、私は死ぬまで借りるているだけなんだぜ」 魔理沙が笑いながら言う。 (それは借りているとはいわないだろ…) 黒焔が本の整理に移った。後ろで二人か話している 「所でなんでここに突っ込んできたの?」 「いや~空飛んでいるときにちょっとしたものが小瓶から漏れて急にふらついてこんなことになっちゃったんだぜ」 「…相当な劇薬ね、それ。で、また私の本を盗りにきたのかしら?」 「いいや、今回は香霖堂にガラクタと交換しに行こうとおもってたんだ …所でこの男だれなんだ?」 「新しく入ってきた黒焔よ。 いまは執事で何でもやれるやつよ」 「へぇ~、霖之介以外の男子を見るのは何年かぶりだぜ」 黒焔は魔理沙とパチュリーの話を半分聞きながら黙々と仕事をこなしていた。黒焔が本を全て(軽く二時間以上かかった)なおしたときちょうど二人の会話が終わったようだ。 「じゃあ私はそろそろ香霖堂に行かせてもらうぜ」 そういって魔理沙は箒に乗ろうとした。が、それが出来なかった。咲夜が魔理沙の目の前に突然あらわれたからだ。 「待ちなさい、魔理沙。貴女、この屋敷を壊してそのまま帰るつもり?」 咲夜はナイフを出して魔理沙に突きつけた。「逃げたら命は無いわよ」といっているような感じだ。 「ああ、だって、咲夜の能力でなおせるんだろ?」 「それは材料があったときの話。その貴女の持っている材料ならなおせそうだけどね」 「それは…勘弁してほしいぜ。で、何がひつようなんだ?」 「話が速いわね。まぁ話は簡単よ。魔法の森から木材をいくつか持ってきてほしいだけ。」 「何だそんなことならお安いご用だぜ」 「ただし、黒焔といっしょに行って帰ってくること」 「はぁ?」 黒焔は何で俺?という感じで叫んだ。 「だって途中であきられてほっぽったたりするかもしれないしね。それに黒焔もいい、遠足になるしね」 黒焔の叫びを無視し咲夜がいう。何処か笑っているようだった。 「…しかたないぜ。壊したのわ私だしな。 黒焔…だっけ?私の箒に乗ってくれ」 黒焔は言われるとうりにした。たとえ咲夜に反論しても意味がない(ナイフで逆襲されるから)と黒焔はわかっていた。 「じゃあ早速飛ばしていくぜ!」 箒は猛スピードで屋敷から出ていった。 咲夜の部屋 咲夜は黒焔を見送ったあと(パチュリーは勝手に自分の部屋にもどったようだ)自分の部屋に入った。 ~以下某人物が咲夜の心の中を覗いた時の内容~ (よし!黒焔が消えたおかげでお嬢様に 自主規制 や 自主規制 とかができる! 今まで馬鹿焔の家事その他もろもろを教えていた上に馬鹿鴉がここら辺を飛び回っていたせいで全く 自主規制 をやることができなかったからなぁ…! アハハハハハハハハハハハハハ!お嬢様は私だけのものだぁぁぁぁぁぁ! (5分後) …ハッ! 落ち着け!KOOLになれ!十六夜咲夜! ハァハァ…やべぇ、お嬢様を 自主規制 する妄想するだけで鼻血が… …ハッ! 落ち着け!KO(ry とりあえず馬鹿鴉や馬鹿焔がいないうちにとっとと行かないと… 待ってて下さいね、お嬢様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!) 「咲夜さん私の夕食は…ぎゃあああああ!」 美鈴を気絶(仕方は想像におまかせする)さした咲夜は猛ダッシュでレミリアの部屋に行った。 続く
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「魔理沙、ちょっと来て」 「んぁ? そんな奴どこにもいないぜ」 「じゃあここに来なさい」 「どうした来てやったぞ」 開かれたグリモワールをパチュリーは指差していた。 魔女の意図が掴めない魔理沙は怪訝な面持ちで魔導書を覗き込む。 「なんだ、普通だぜ。私の如く普通だぜ」 「そう」 「ああ、でもやっぱ普通じゃない。これ私にゃ読めないな」 「やっぱり」 読めないとわかったとたん、魔理沙はグリモワールを手に取って真剣に読み出した。 魔法使いの魔法使いによる魔法使いのための書籍。それがグリモワールである。 アイデアや魔法を忘れないための外部記憶装置、魔法の発動を支援するための魔導具、悪魔やら精 霊やらを封印したモンスター図鑑等、その機能、種は多岐に渡るがほぼ共通する特徴がある。 『読めない』ということだ。 もちろん誰一人読めないわけではない。知識や魔力を盗まれないため、また制御するだけの能力を 持たない者に渡ることを防ぐため、鍵が仕掛けられているのだ。 パチュリーは鍵を解くのも作るのも得意である。寝起きに紅茶を飲みながらテキトーに作った鍵で も、魔理沙相手になら三日間は読ませない自信がある。 そんなパチュリーであるが、今日手にしたグリモワールが読めなかった。 「自分が読めないからって私に譲るとは、本の虫らしくないぜ」 「お砂糖を入れたお茶を飲みながらなら読めると思うわ」 「ブドウ糖補給なら直接脳に注射しろよ」 「小悪魔、お茶をお願い。魔理沙には注射」 「はい、ただいま」 茶々を入れながらも魔理沙は目からビームを出して紙面を焼き尽くしてしまわんばかりの勢いで、 グリモワールに齧りついている。 同じ本好きであっても、パチュリーと魔理沙ではなぜこうも本に対する姿勢が違うのか。 思うに、パチュリーは己が本の傍にあるものと考えているのに対し、魔理沙は本の知識は支配する ものと考えていることから起因しているのだろう。 寿命が長い天然魔女と老い先と気が短い人間故の差なのか、ただの個人差なのか。 「パチュリー様、お茶が入りましたよ」 「ええ」 テーブルに置かれたカップを取ろうとすると、なぜか空を切った。 床に座ったままグリモワールを広げた魔理沙がティーカップに口をつけようとしている。 そんな彼女の帽子に注射針が突き刺さった。 「わっ、ちょっと待て! 今お前頭蓋骨貫通するつもりだったろ!」 「そうしないと脳髄には届きませんよ?」 レミリアの腕くらいはありそうなぶっとい注射器を抱えた小悪魔は、きょとんと首を傾げていた。 帽子を被り直した魔理沙はやれやれだぜなどと背後霊でも出しそうな愚痴を零し、立ち上がる。 「背後から命を狙われるような所じゃ落ち着いて読書もできんな。じゃ、今日はお暇するぜ」 「それ置いてきなさい」 「読み終わったら返すぜ」 去って行った。たぶん、あの本は魔理沙が死ぬまで返ってこないだろう。まあ、再会の時もっと素 敵なパチュリー・ノーレッジでいられるよう、精進しようということで。 小悪魔が魔理沙から取り返したお茶に改めて口をつける。 違和感を覚えた。 「ちょっと甘くない?」 「糖分補給したいじゃなかったんですか?」 「冗談よ。せっかくの香りが半減じゃない」 「今度から気をつけます」 「ねえパチェ、とても大事なお話があるの」 「リストとモノを見せて」 一言えば十伝わる間柄である。友人の快諾を得たレミリアは、早速夜空にその身を躍らせた。 相も変らぬ紅い弾幕が広がった。相手は咲夜。お嬢様の新技初披露ということで避けることのみに 意識を集中しているようだった。レミリアの高速弾は人間の動体視力が捉えられるギリギリの速度で 放たれる。ちょっとでも意識を別に割けば時間停止すら間に合わない。 火魔法で新スペルカード命名リスト表を照らし眺める。 喰月「ヴァーミリオン謝肉祭」 宮殿「無添加無花果のゼリー寄せ」 「ダイナマイトレーザービーム」 etc... 「さあパチェ、遺憾ない意見を聞かせてちょうだい」 清々しい表情でレミリアが帰ってきた。リストアップしたネーミング全てによほどの自信を持って いるらしい。 色々考えた末、パチュリーはリストの中からテキトーに選んだ名前を指差―― 「ザ・ワールド!」 ……時が止まった。 パチュリーも時止めの世界を認識できるのは、咲夜が傍にいるからであろう。レミリアや湖面の波 は止まったままである。 「パチュリー様、どういうことですっ」 「何よ咲夜」 「お嬢様が考えたネーミングをそのまま採用されるなど……ッ!」 「何を言ってもレミィのことなんだから、我を通すに決まっているでしょう」 「しっかりなさってください。それでもまともなネーミングを提案なさってくださるのがパチュリー 様でしょう。お嬢様が唯一耳を貸すとすれば、パチュリー様のご意見だけです」 ……そうだったろうか。 まあいい。咲夜が珍しく泣きそうな顔で訴えているのだ。パチュリーは考えた。 ……考えた。 「それではお願いします。時止め、解除しますよ」 「えっ、ちょっと待っ……」 遅かった。既に夜風がパチュリーの頬を撫で、レミリアが期待に満ちた幼い瞳を向けていた。 咲夜がさぁどうしたんだと言わんばかりに睨んでくる。 パチュリーは目を伏せ、ティーカップを傾けた。せっかちね、全く。私は喘息なの。お茶の一口を いただく時間すらもらえないのかしら? 無言で二人にそう言う。 実際のところ、パチュリーの頭の中は以下の如くだった。 (2……3……5……7……) 瞬きする間に三桁までの素数を数え終わる。調子がおかしい。普段なら十桁くらいは軽く行くのだ が。 「咲夜、カモミールをお願い。夜風に当たりすぎたわ。ちょっと熱があるみたい」 「熱? どう、私が計ってあげるわ」 レミリアが前髪を掻き上げ、額と額をくっつけ合わせた。 「あらホント。熱いわね」 「お嬢様は元から冷たいでしょう」 「そういえばそうね。じゃ、お大事にパチェ。名前がなければ格好がつかないもの。早く治してよね」 「ええ、おやすみなさい――でも、レミィ」 「ん?」 パチュリーは既に席を立っていた。しかし、レミリアの言葉が引っかかったのだ。 レミリアはパチュリーの意見を聞かなければスペルカードの名前を付けてはいけない、などと誰も 言っていない。紅魔館の主はレミリアだし夜であればこの世の王とすら思っているのがレミリア・ス カーレトだ。どれほど賢しい意見であろうがどれほど素晴らしい提案であろうが、気に入らなければ 無視をして、楯突こうものなら片手で打ち払う。紅い悪魔はそういう性格である。 その疑問を一言で済ませられたのなら良かったのだが、なぜか良い言葉が見当たらず、何度か咳を しながら、尋ねた。 「……それで?」 「何?」 「あなたの聞きたいことはそれだけ?」 「ええ」 「ならいいわ。咲夜、早くソレ片付けて」 レミリアはティーセットを不凍液よりも冷たい視線で見下ろし、五月蠅いと言わんばかりに手を払 った。 パチュリーの質問のせいで不機嫌になったのはわかった。だがその原因は? おかしい。パチュリーはチェスや将棋はもちろんのこと、ポーカーも得意だ。文字通りポーカーフ ェイスなのもあるが、相手の何気ない仕草や視線の動きの一つ一つで手札を盗み見る技術を持ってい るからである。 まして、親友で短絡的な思考の持ち主であるレミリアの心理を読めないなどありえない。 ありえない―― 「パチュリー様、寝室までお送り致しますわ」 「咲夜……」 この異様な状況を、伝えようと思った。 だが咲夜は有無を言わさずパチュリーの腰に手をやると、優雅に、だが強く押した。早いところこ の場からさっさと出て行けと、圧力をかけている。 「お願い、聞いて」 「お嬢様はお戯れにじゃれ合うのはお好きですけれど、ただやかしましいだけの口喧嘩はお嫌いです よ」 「何を……いえ、ごめんなさい。わかったわ」 レミリアは結局、最終的には確かに自分の考えて選んだアイデアを取る。 だが一人でそんなことを勝手に決めて勝手に押し通してもつまらない。気が置けない者と戯言を交 わすことだけが、目的なのだ。 本当に、考える必要もないことだった。 「読み終わったぜ」 恐ろしいことに魔理沙が本を返しに来た。 パチュリーは怪訝な表情で魔理沙を見上げる。彼女は肩をすくめた。 「読み終わったら返すって言ったはずだが」 「帰り、ちゃんと咲夜に傘を貸してもらうのよ」 「もらうぞこの本」 どうせ魔理沙のことだ。自分の知識では読めないことに気付いて飽きたのだろう。 「で、なんか私に協力してほしい研究でもあるのか?」 「――頭撃ったの?」 打つより撃つ方が魔理沙としてはあり得る。 魔理沙は確かに人間でこの年にしては強いことは強いが、強いだけだ。魔法使いとしては得意分野 が偏りすぎて、まだまだ二流である。パチュリーの研究や実験についていけるだけの知識も技術もま だまだ持ち合わせていない。 百歩譲って魔理沙に相応の能力があったとしても、性格の問題で協力し合おうという気にはまるで なれない。友人でいる分には構わないが。 「でもこの本」 返した本を叩く。叩くな。痛む。 「何?」 「んー……いやどっちみち私は精霊魔法気が向かないから蹴るんだが」 「で?」 「新手の嫌がらせか? だが私は負けないぜ。ここの蔵書を読みきるまではな」 「末永い付き合いになるわね。読む速度より増える速度の方が速いわよ」 「それじゃあ負けないようにしっかり読ませていただくか」 「待ちなさい」 本棚に向かおうとする魔理沙を呼び止める。 「読むのはいいけど、持ってくのダメ」 「ダメ押しにやられたいのか?」 箒に腰掛けた魔理沙は右手で帽子の鍔を抑え、左手で八卦炉を軽く叩いた。 やれやれとパチュリーは本を閉じた。風魔法を起こし、椅子に座った体勢のまま宙に浮く。 図書館の中で弾幕ごっこはなるべく避けたいというのに、これだから魔理沙は困るのだ。 スペルカード宣言をし、弾幕を展開。美鈴をやっつけて来たのだからそれなりに消耗していること を期待していたのだが、魔理沙は持ち前の火力で次々とスペルカードを打ち破っていく。 一度や二度見たスペルカードなら、具体的な対策は既に出来ているのだろう。今ひとつ決め手に欠 けた。 だがパチュリーも一度や二度魔理沙と戦ったのだから、対抗策を編み出していた。そもパチュリー の得意な戦術は多彩な魔法で相手の弱点を突くことだ。卑怯ではない。戦術である。 魔理沙は高火力で押し切り、短期決戦で終わらせるスタイルを得意としている。なら、その高火力 が意味をなさない、長時間の耐久スペルで勝負を決める。 パチュリーが耐久スペルを所持していなかったのは、喘息というハンデキャップがあったからだ。 術者であるパチュリー自身が耐久しきれないのだ。しかしあらゆる属性を掛け合わせて魔法を構成す れば、エネルギーがエネルギーを生み、弾幕が弾幕を展開するという技も可能なのである。 その新スペルカードを、パチュリーは宣言した。 「新しいのか。また参考にさせてもらうぜ」 「参考になるかどうかは、打ち破ってから考えなさい」 五冊のグリモワールを開き、パチュリーは詠唱を始め――ようとした。 声が出なかった。 喘息の発作が起きたのかととっさに考えたが、身体に今の所異常はない。ならばなぜ詠唱が唱えら れない。 空中に展開したグリモワールの文を眺め、気持ちを落ち着かせた。落ち着こうとした。 「あれ――?」 グリモワールの中身を見て、パチュリーの脳裏に疑問符が浮かび上がった。 ――なんて書いているんだろう? そう一瞬考えた瞬間、背筋に怖気が走った。そして、ここ最近自らの身に起こり始めている変調が なんなのか、ようやく理解できた。 しかしその瞬間、パチュリーは同時に全く関係のない疑問を覚えたのだ。 ――どうやって空を飛んでいたのかしら 「あ……」 歩くより自然に使っていた魔法だった故に、一度意識すると咄嗟に使うことができなかった。 まるで、歩くことを哲学した百足のように。 パチュリーは墜落した。 「なっ!」 魔理沙がパチュリーの異変に気付き、弾丸のような速さで近寄ってきた。 手を伸ばし、掴まれと目で訴えかけてくる。 だが、パチュリーは手を伸ばさなかった。 空を飛ぶ方法すら忘れ、魔理沙に助けられる。そんなことがあっては、パチュリーは立ち直れない。 いずれにせよ、床に叩きつけられてしまっては再起不能だろうが。 「申し訳ございませんが、パチュリー様の面会はお断りしております」 風呂敷包みを抱えてやってきた魔理沙とアリスに、小悪魔はやんわりと頭を下げた。 パチュリーの負った怪我は、幸いにも速やかに適切な処置が施されたので完治することは間違いな かった。ひとえに魔理沙の足の速さと、医者を呼ぶまで患者の時間を止めて悪化を防いだメイド長の おかげであろう。 「まだそんなにひどいのか」 「いいえ。お体の方は、杖を使えば歩ける程度には」 「じゃあ出歩けるだろ。元からあいつ自分の足で動かないぜ」 「それがまことに申し上げにくいのですが……」 目を伏せた小悪魔の様子に、敏感なアリスは既に悟ったようだ。 「魔理沙の話を聞いてもおかしいと思ってたわ。パチュリー、怪我以前に何か問題あるわね?」 「はい……」 二人の魔女に、主の魔女の容態を小悪魔は説明する。 パチュリーは何者かに、思考を妨げ知識を蝕む薬品を飲まされたらしい。 本来ならそれはトラウマとなるほどの出来事を忘れ、悪い思考を拡散させるために用いられる精神 安定剤の一種である。医者の処方に従い、適切適量を守っている限りにおいて問題はない。 だが、大量に飲まされてしまっては話は別だ。最終的に廃人になる可能性も十分ある。 「そんな特殊な薬、入手経路が限られているに決まってる。今すぐ私が犯人を見つけだしてきてやるぜ」 「永遠亭なら、行っても無駄足ですよ」 「え?」 「馬鹿ね。パチュリー治療したの、あそこの薬師でしょう。小悪魔の話も、薬師の又聞きでしょうよ」 「あ~~……」 魔理沙は額に手をやった。完全に犯人として決めつけていたらしい。 そうして帽子の鍔を何度か指で弾き、魔理沙はアリスに荷物を渡す。アリスは首を傾げた。 「どうしたの」 「私はじっとしているのは自分の研究している時と神社にいる時だけって決めてるんだ。とりあえず、 犯人探しに出てくる」 「行ってらっしゃい」 そう言っている間に、魔理沙は箒に跨りソニックブームでも出しそうな勢いで、図書館から出て行 った。 残されたアリスは、小悪魔に風呂敷包みを渡す。 「見舞い品よ。私からはお茶の葉。魔理沙からは読み終わった本数冊」 「どうもすみません」 「私はこのままここで調べものするわ。主がいないけれど、利用したって構わないでしょう?」 「もちろんです。私はパチュリー様の下へと戻りますので、何か御用がありましたらなんなりとお申 し付けくださいませ」 既にアリスの興味は小悪魔から逸れており、書物の物色に集中していた。 その背に一礼を残し、小悪魔はパチュリーの寝室へと向かう。 二度、ドアをノックする。返事がないので、小悪魔は「失礼します」とドアノブを回した。 ベッドには、饅頭のように盛り上がった毛布が鎮座していた。 小悪魔はテーブルに魔理沙たちの土産を置き、ベッドのシーツに手をかける。 「パチュリー様、霧雨様とマーガトロイド様がお見舞いに来てくださりました」 「そう……」 「霧雨様が貸し出ししていた御本をいくつかお返ししてくださったのですが、確認致しますか?」 「いいわ……元の場所に戻しておいて」 「いいえ、マジックアイテムは一箇所に集めておくと、相互になんらかの影響を与えることがあると 聞いたことがあります。パチュリー様に一度確認していただかないと……」 「あなたにはそれくらい対処するくらいの能力はあるでしょう……なんなら道具屋で鑑定してきても らってもいいわ」 「そんなことばっかりおっしゃってないで、顔を見せてください、パチュリー様。身体を動かなさい と、良くなるものも悪くなるばかりですよ」 小悪魔は毛布の上からパチュリーの身体をゆすった。 ずり落ちようとする毛布を、中で掴んだパチュリーはさらにベッドの上で小さく縮こまる。 まるで塩を振りかけられたなめくじのようだ。だがあくまで毛布の中にいるのは、心身ともに傷つ き弱り果てた、小悪魔の主人なのである。 七属を統べ、紅魔館の頭脳と信頼され、動かない大図書館とまで呼ばれたかの魔女が、ぐずる子供 のようにみっともない姿を、部下の前に晒しているのである。 主人想いの小悪魔にはその姿があまりに哀れで、悲しくて―― 笑みが抑えられない。 「ねえパチュリー様」 「……っ」 「パチュリー様が退屈しないよう、お気に入りの御本も一緒に持ってきたんですよ」 「ぃゃ……」 「お願いですから……」 「……あっち行って……」 限界まで縮まったパチュリーの姿は、胎児のようだ。温かなベッドから出ることを拒否し、つらい ことしか待っていない外になど立ち向かえないと、必死に主張する。 全身に鳥肌が立ち昇るほどの歓喜が、小悪魔を襲った。セッコを褒めるが如き勢いでパチュリーの 頭を撫でたい気持ちを、ぐっと抑える。 深呼吸をし、崩れてしまった表情をパーツごとに確認して、元に戻し始めた。眉間の皺を伸ばし、 眉は下げ、気弱な感じを演出。目は少し細め、無害さをアピール。口元はうっすら笑みを浮かばせ、 優しさを見せる。出来た。ああ良かった。これがいつもの小悪魔だ。これが小悪魔のデフォルトだ。 弱々しさと従順こそ小悪魔の武器。これこそが、今の主人を作り上げてくれた。 小悪魔である以上、使い魔として縛り付けられたとしても転覆を狙うのは当然の事。しかしそれす らも忘れさせるほど長く仕え、信頼を築き、何よりパチュリーの持つ豊富な知識の一端を蓄えさせて もらったうえで、ようやくここまで漕ぎ着けたのだ。 魔理沙が犯人を捜そうとしているが、探偵まがいのやり口では見つかるはずもない。問題の薬を調 合したのは小悪魔自身で、材料は紅魔館の庭で門番が栽培している薬草畑のもの。足が付くはずなど ないのだ。 また、薬に関する知識は何十年も昔に、パチュリー自身から仕入れたもの。辿ろうにも教えた本人 は忘れており、他に知るものなど誰一人とていない。 「わかりました。ご無理を言って申し訳ございませんでした」 小悪魔は頭を下げる。あからさまに毛布の中でパチュリーの体が弛緩するのを見て、また表情が崩 れそうになる。 しかし逆に目元を伏せ、悲しげな声で小悪魔は囁いてみせた。 「そういえば……メイドたちが噂しているのを聞いたんです」 「……何?」 「『パチュリー様、バカになっちゃったんだったら、ホントにただの紫もやしじゃない』だとか『メ イド長の負担にもなってるし、図書館閉鎖かな?』とか『レミリア様、ため息ついてらっしゃったわ 』とか他にも……」 「もういい……わ」 「安心してください、パチュリー様。私はどんなことがあっても貴女の一番のしもべです。図書館も パチュリー様も、守ってみせます」 「……ぁ」 もそもそと、毛布が蠢いた。 かたつむりのように、パチュリーが顔を出す。うなだれたその表情は前髪で隠れて見えなかった 「……ありがとう」 「い、いえ! そんな、当たり前のことですからっ。……お茶、入れてきます!」 顔を真っ赤にして、小悪魔は寝室から飛び出し、小走りで廊下を駆け、足を止める。 怖い。ここまで上手く行くと、怖いくらいだ。 こらえきれない。壁を叩く。主人から礼を言われるなんて、何十年ぶりか。嬉しくて、舞い上がっ て、小躍りして鼻歌でも口ずさみたいくらいだ。さすがに不謹慎なので、そこまで行くのは我慢した。 そう、忘れてはならない。主人との信頼を深く築けたのは、演技に真実味があったからこそ。その 心を忘れてしまっては、パチュリーが不幸になるのは当然だが、小悪魔自身すら不幸になる。 主人を想う気持ちに偽りはないし、口にする言葉も虚言ではない。全て真実。 ただ、ちょっと立場を逆転させるため、悪知恵をちょろまかしただけのこと。 全く、それだけのこと。 さあ、変わり果てた主人にこれからどうご奉仕しよう? 風魔法も忘れてしまっては、彼女はまともに移動もできない。もちろん小悪魔は彼女の杖となり足 となろう。どこまでも、それこそ下の世話だって喜んでやってみせる。 読めなくなった本の朗読をしてあげよう。もう一度新鮮な知識を吸収できるのだ。これほど嬉しい ことはない。 これからの毎日が、とても楽しみだ。 魔法を忘れる:7スレ655の後半 パチュリーの知的能力が低下してゆく過程の描写が上手いな。 -- 名無しさん (2008-11-14 19 52 59) 下の・・・世話・・・ ゴクリ・・・ -- 名無しさん (2008-11-24 15 07 44) その内ボケたジジイみたいになる姿を想像するとニヤニヤが止まらない -- 名無しさん (2009-01-29 00 07 54) こぁ「計画通り」 -- 名無しさん (2009-02-05 20 27 47) セッコを褒めるが如き ジョジョ5部しかしらない俺からしたら吹いた -- 名無しさん (2009-08-28 23 09 29) 遺憾ないじゃなくて、忌憚ないじゃないか?。 ちなみに『きたん』な。 -- 名無しさん (2009-08-29 12 31 25) レミリアのネーミングセンス酷いなー…… -- 名無しさん (2010-03-30 00 50 07) ふぅ・・・ -- 名無しさん (2010-03-30 18 35 01) レミィのネーミングセンスを見て安心した -- 名無しさん (2010-03-30 20 24 19) とりあえず作者がジョジョ好きなのはわかったwwwwwww -- 名無しさん (2010-05-09 08 42 42) ああ、セッコって五部か、コメ見るまで何のことやら -- 名無しさん (2010-07-30 13 53 46) なんだいつものレミリアか -- 名無しさん (2012-07-28 21 47 55) 小悪魔「良おーーーーッし良し良し良し良し良し良し良し良し良し 良し良し良し良し良し良し」 -- 名無しさん (2013-10-23 01 35 57) セッコワロタ -- 名無しさん (2015-10-20 19 27 54) ジョジョネタなんて分からないよ〜(T . T) ただコメ荒らしが居ないのははじめて見たよ -- キング クズ (2016-06-18 06 29 05) 名前 コメント
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制限時間24時間。 それが今回のリアル鬼ごっこのリミットである。 あの西行寺幽々子から24時間逃げ切れればパチュリーの勝利となる。 だが今回、パチュリーには想像を絶するハンデがあった。 ゼリー装備―― 小悪魔は恥も外聞も無く泣き叫び、すがり付いてパチュリーを止めようとした。 今回ばかりは本当にやめてください、この勝負に負けたらパチュリー様は―― だが、やはりパチュリーは聞かなかった。小悪魔の制止を振り切り、戦場へと赴く。 小悪魔は涙に濡れた瞳で、パチュリーの背中を見送ることしかできなかった…… ぱっちゅんゼリーと西行寺幽々子、両者、一定の距離を置いた上で勝負開始。 本来ならパチュリーと幽々子の移動速度はそうは変わらない、 追いかけっこなら長期戦になるかと思われたのだが、食べ物のかかった幽々子にそんな常識は通用しない。 吸血鬼もかくやという速度で牙を剥いて飛びかかる幽々子、 それに対してパチュリーは、事前に用意しておいた、特性の符を発動、 次々と現れるゴーレムたち、そしてすかさず、こちらも用意しておいた自分の髪の毛を次々と埋め込んでいく。 こうして、パチュリーの周囲の泥人形たちは、ぱっちゅんゼリーそっくりの姿へと変貌。 つまり幽々子から見ればぱっちゅんゼリー×いっぱいである、見分けなんてつきやしない。 しかも今回のゴーレムは特性である、味も素材もゼリーに変化するよう設定してあり、 かつ、隠し味に法儀礼済みの銀粉と塩をまぜこんであるのだ。 亡霊の身でこの聖なるゼリーを幾つ食えるか、試してみるがいい、 そう自信を持っていたパチュリー、そしてその目の前で、幽々子がゼリーゴーレムに食いつき―― 「素 晴 ら し い」 完食した上で、そんなことをのたまった。 「この滑らかで爽やかなる気持ちのいい舌触りが豊かで濃厚な味に仕上がって尚且つ コクがあり光沢も素晴らしく力強く鮮やかで美味いじゃねーかコンチクショー!」 どうやら、銀粉のデコレーションと塩のアクセントがよほどお気に召してしまったらしい、 なんかキャラ違ってそうな意味不明なことをまくしたてながら次々とゼリーゴーレムを食らい尽くす幽々子。 期待したようなダメージが全く無さそうなことを見て取ったパチュリー、焦って次々とゴーレムを量産する。 とにかく急いだ。ゼリーゴーレムを全てたいらげられると、今度はパチュリー自身が捕まってしまう。 それだけは何としても避けたかった――だが、幽々子のゼリー一気食いの勢いが尋常ではない、 しかも恐ろしいことに、あれだけの勢いであるにも関わらず、お箸は右手お皿は左手、作法はきちんと守られているのだ。 立ち食い? 立食パーティーのノリだよ、だからOKさ。 そんなこんなで、パチュリーがゴーレムを出すよりも遥かに早く、 ゼリーゴーレムを全て食い尽くしてしまった幽々子様、 その右手のお箸がパチュリーに伸びる、そして。 「……あなたが本体ね?」 「? ……え、ええ、そうだけど……食べないの?」 「あなたを食べたら、ゼリー食べられなくなるじゃない」 「え? え?」 「それより、もっとゼリー出して……ううん待って、今全部食べるのって勿体なくなってきたわ。 ねえ、商品化して売り出してみない? 白玉楼で定期的に受注させていただきたいわ。 もちろん商品化するんだから、バリエーションも豊富にね? イチゴにブドウにオレンジ、夢は膨らむわ~」 ――こうして、ぱっちゅんゼリーは紅魔館から売り出され、幻想郷に幅広く親しまれる一大ブランドへと発展した。 味のバリエーションもさることながら、サイズも通常のSサイズや一口サイズのSSから等身大のLLまで幅広く、 さらに期間限定生産としてレミリアモデルを始め、紅魔館の他の住人をあしらったゼリーも売り出される、 紅魔館は当初の予想を大幅に上回る利益を獲得し財源を潤わせ、 白玉楼は優先的に購入できる権利を有し、実に売り上げの5割を独占、ゆゆ様はほくほく顔、 ちなみにパチュリーは商品化の当初こそ積極的に取り組んでいたものの、飽きてしまってからは最低限しか手伝おうとしなくなり、 仕事が倍増した小悪魔と咲夜は、泣く泣くお互いの境遇を嘆きあったという。 あ、勝負は一応、食べられなかったパチュリーの勝利ということで一つ。 コスプレ パチュリー 同人ネタ 幽々子
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木符「グリーンストーム」 木符「グリーンストーム」 スペル シンボル:青 必要コスト<青:1 無:2> このカードの効果が解決された場合、このカードを以下のテキストと「属性:使い魔」を持つ、攻撃力2、耐久力2のキャラクターとして活動状態で場に出す。 『《自動》:自分の「パチュリー・ノーレッジ」がいる場合、このカードは+1/+1を得る。 【無:0 このカードを廃棄する】目標のキャラクター1枚を休息状態にする。』 「」 illust:Hitoto* コメント 木符「シルフィホルン」の兄弟分。能力の効果が休息状態に入れ替わった。 なにげに色指定が1で済むのでこちらの方が若干コストが優しい。 奇術「ミスディレクション」と2/2速攻がセットになって3コストと考えれば悪くない話である。 関連 知識と日陰の少女「パチュリー・ノーレッジ」 動かない大図書館「パチュリー・ノーレッジ」
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作品一覧 作品一覧(プチ) 作品一覧 タイトル 作品集 サイズ ジャンル 主要キャラクター 備考 真っ白な彼女の真っ黒な空白 51 フランドール パチュリー レミリア 孤独なわたしたちの家族ごっこ 54 フランドール レミリア しあわせなわたしたちのいびつな家族ごっこ 55 フランドール 魔理沙 美鈴 パチュリー 咲夜 寂しがりやなわたしたちの甘酸っぱい恋人ごっこ 55 フランドール 咲夜 パチュリー レミリア 魔理沙 壊れゆく貴女の為のセプテット 前編 58 レミリア フランドール 魔理沙 パチュリー 美鈴 アリス 地霊天 ちれいてん! 62 11kb ほのぼの(?) 霊夢 天子 さとり 大崎屋平蔵氏との合作 Vermillion , Crimson , Scarlet 63 フランドール 咲夜 レミリア 美鈴 パチュリー Fragment 64 さとり こいし 燐 空 聲 70 さとり こいし 燐 夏は短し食せよ橋姫 80 パルスィ さとり 霊夢 心は危うし紡げよ橋姫 80 パルスィ さとり 勇儀 こいし 仮想花葬 86 レミリア 咲夜 美鈴 パチュリー フランドール 作品一覧(プチ) タイトル 作品集 サイズ ジャンル 主要キャラクター 備考 紅魔館門前にて プチ25 美鈴 フランドール 夢見る主の探し物 プチ28 妖夢 幽々子 神様のトロイメライ プチ28 アリス 神綺 姉妹小話集 プチ29 フランドール レミリア 咲夜 美鈴 パチュリー あなたとわたしの日常 プチ29 フランドール レミリア それも愛だと言うならば プチ29 レミリア フランドール パチュリー 主従昔話 プチ30 咲夜 レミリア 白玉楼飲酒事件簿 プチ30 幽々子 妖夢 紫 ある鴉天狗の憂鬱 プチ30 文 レミリア それは血の味蜜の味 プチ30 フランドール レミリア へたれなお姉様との遊び方 プチ31 フランドール レミリア 咲夜 家族の一歩手前にある物語 プチ31 さとり 燐 空 こいし これが恋でも恋でなくても プチ33 さとり パルスィ 我らが愛すべきへたれ様 プチ33 フランドール レミリア パチュリー 咲夜 「そこまでよ」は用法、用量をよく守って正しくお使い下さい。 プチ35 パチュリー レミリア フランドール 咲夜 美鈴 小悪魔 夢現の狭間で プチ36 フランドール こいし 不可逆読心術 プチ38 さとり こいし 思春期パラノイア プチ38 さとり こいし そら味キャンディ、両の眼に プチ41 フランドール 咲夜 レミリア パンがないなら、どろわを食べればいいじゃない。 プチ41 フランドール レミリア 咲夜 パチュリー はーとふるぼっこな君 プチ42 レミリア フランドール 咲夜 パチュリー ぱんつがなければ、葉っぱを穿いたらいいじゃない プチ43 静葉 穣子 私と姉と、ときどき四季様 プチ44 さとり こいし 錆びつくナイフ、夢現 プチ44 こいし さとり フランティック・バイアス プチ47 フランドール こいし ねこいしこいし、こいをする プチ47 こいし さとり いこの氏との合作 ペットはつらいよ プチ48 さとり こいし 燐 空 安眠妨害制御不能 プチ48 空 燐 さとり 腐りかけサブタレイニアンローズ プチ48 こいし さとり 四家四様 プチ50 スカーレット姉妹 古明地姉妹 夢幻姉妹 秋姉妹 残念な君たち プチ50 フランドール レミリア ゆびさきにこいして プチ51 こいし さとり 大雨洪水警報に気をつけて プチ51 さとり パルスィ
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【ライダー名】 仮面ライダーセンチュリー 【読み方】 かめんらいだーせんちゅりー 【変身者】 百瀬龍之介百瀬秀夫 【スペック】 パンチ力:100tキック力:100tジャンプ力:ひと跳び100m走力:100mを0.01秒 【別形態】 仮面ライダーセンチュリーブレイク 【声/俳優】 中尾明慶古田新太 【スーツ】 小森拓真 【登場作品】 仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ(2021年) 【詳細】 百瀬龍之介と百瀬秀夫の父子がサイクロトロンドライバーを使うことでお互いの肉体と精神を一つに融合させ変身し誕生するセンチュリー本来の姿。 使用するサイクロトロンドライバーは2071年の50年後の未来で作られ生まれた仮面ライダーの力であり、 システムの開発者は悪魔による人間弾圧から逃れていた老年の「ジョージ・狩崎」。 歴代ライダーの普遍的な要素、バッタの触角などを未来的なデザインにブラッシュアップした容姿で、全体的な外見は白とシルバーをベースとした宇宙服のようで、頭部、胸部、足先などに水色のクリアパーツがあしらわれる。 目元部分のみクリアパーツがピンク。 「センチュリアンタム」と呼ばれる特殊な量子エネルギーを扱い、赤く量子化しながらの目にも留まらぬ高速移動を行う。 また、4本の刃を持つ歯車状の円環粒子「デストサイクロン」を操るが、「センチュリーブレイク」と同じ能力ながらも長きにわたる時間の隔絶を埋めた父子が扱うことで、その汎用性は比にならない。 エネルギー源はライダー粒子と呼ばれるものが使われている。 デストサイクロンを足場としつつ、量子化した上での三次元的な高速起動で相手を翻弄、「ライダーパンチ」や「ライダーキック」といったライダーによくある必殺技を叩き込む。 最大必殺技は未使用の「サイクロトロンフィニッシュ」。 悪魔「ディアブロ」への秘策であり、完全体になったディアブロに対してもほぼ互角に立ち回り、破壊不能のバリアーを砕き、リバイスたちに勝機を与える。 【余談】 未来のライダーたる由縁なのか、発覚したスペックは尋常ではないレベルとなる。
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241番さん続きまってます -- (名無しさん) 2008-08-04 21 05 16 八雲一家とタチコマのドタバタほのぼのした交流が面白い 橙と仲良くなる話なんか可愛くて大好きです 現在はボディを修理するための材料を集め中 紅魔館で大変なことになってるようですが 暴走したPAD長をどうするパチュリー! 完結まで頑張って下さい -- (名無しさん) 2008-08-05 00 29 51
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(これはまずいわ) 競技の内容を聞いたときのパチュリーは、一人、危機感にさいなまれていた。 飛び降りという未知の競技であることもさることながら、相方がかの大佐なのだ。 (これは……下手をすると、私だけが「二周目」をやらされる予感!) パチュリーは策を練った。自分が飛び降りる回数が一回で済み、かつ、あの不死人二人に打ち勝てる策を…… さて、今回の競技は飛び降りである。 つまり、よりパフォーマンス度の高い飛び降りを見せ、観客を沸かせたコンビの勝ちだ。 今回は、空を飛べない大佐のために飛び降り台を用意した。選手の希望によって飛び降りる高さは自由に変えられる。 当然、飛び降りた後の飛行などによる減速や停止は無し、だがそれ以外の用途でなら、割となんでもあり。 というわけで勝負開始。先攻は蓬莱人コンビ。 「こんなの私たちの独壇じょ(どぐめしゃあ!)」 「ってなんで私を抱えて飛ぶんだおま(どがぐしゃあ!)」 台詞も言い終わらずに地面に激突する輝夜と妹紅。二人そろってのジャンプとあり、かなりの高得点が期待できる。 しかも、こちらは死んでしまえば傷が治るのだ。何度だってチャレンジできる。 ほーら、そろそろリザレクショー…… 「消極的に回復魔法ー。ヤムヤムヤムヤム(効果音)」 「ちょ」「おま」 こうして、パチュリーの回復魔法によって死なない程度に回復させられた二人は、 飛び降りのダメージによって、その場を動けなくなってしまった。 さて、ここでパチュリーの飛び降りる番……と、どうしたことかパチュリー、 自分の体より一回り大きい、甲冑を装備しての登場。 確かに防具を禁止はしていないが、これでは飛び降りた際の点数は大幅に減少する。 そんな審判長、毎度おなじみヤマザナドゥのいぶかしげな視線にも構わず、パチュリーは飛び降りを敢行。 ――まず、飛び降りた直後、瞬時に甲冑を外すパチュリー。 一回り大き目のものをつけていたのはこのためだ、少しつなぎ目を緩めさえすれば、細身のパチュリーは簡単に抜け出せる。 次に、その甲冑を切り離しロケットのように使うことで、パチュリー自身は下方へと加速する。 そして、風の精霊を使って若干の軌道修正。減速でも停止でもないから、反則にはならない。 そうして狙った先に待ち受けるのは――着地地点に待機させた、大佐のどてっ腹! 実は大佐、この着地地点で「妹紅と輝夜を見張っておいて欲しい」と、騙されて待たされていた。 そこに振ってくるパチュリーの頭突き――しかも、若干の加速がかかっている。 この「若干の加速」がミソだ。 普通の速度では、先に感づかれて「二周目」に入らされる。 かといって魔法で加速しすぎると、ダメージでパチュリー自身が再起不能になりかねない。 ゆえに、加速は最小限でなければならない――そして狙い済ました頭突きが、大佐の腹に刺さる。 大佐をクッションにしてダメージを最小限に抑えたパチュリー、くらくらする頭をなんとか支え、着地する、 そしてそのまま、ダメージを負っている大佐の大柄な体の下にもぐりこむ。 そこに降ってくる、切り離された甲冑。 パチュリーの頭突きで息が詰まっていた大佐、今度は甲冑の衝撃をもろに頭部に叩き込まれ、あえなく昏倒。 「やったわ……! 飛び降りをアクロバティックに遂行、かつ、大佐に『二周目』を言わせなかった…… 計画通り――」 「パチュリー・ノーレッジ、失格」 「なんで!? 説明をもとめるわ、そこの閻魔!」 「相方がすでに失神してるじゃありませんか。それではもう、大佐は飛べません。 二人目がリタイアということで、勝負は不戦敗です」 というわけで、勝負はもこてるチームの勝ち。 ちなみにその妹紅と輝夜は、てゐがきっちりトドメさしてリザレクションさせてあげたそうです。 エクストリーム コンビ戦 パチェ大佐 パチュリー 大佐 妹紅 輝夜
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デッキタイプ 慧音主体 けーね4(慧音4) 月下美人(慧音3レミリア1) 里守(慧音ver)(慧音3妹紅1) ダブルホーン(慧音ver)(慧音3萃香1) 叡智(L慧音ver)(慧音2パチュリー1永淋1) 慧音が含まれるデッキ 角ぐうたら(霊夢1魔理沙1慧音1萃香1) 編纂アリス(アリス3慧音1) 二重詠唱(パチュリー3慧音1) 叡智(Lパチュリー)(パチュリー2永淋1慧音1) 叡智(L永淋)(永淋2パチュリー1慧音1) 叡智親友(レミリア1パチュリー1永淋1慧音1) ダブルバトル(美鈴2慧音1萃香1) 慧音2魔理沙2 慧音2紫2 慧音2橙2 里守(妹紅ver)(妹紅3慧音1) 丑三つ時(慧音ver)(慧音2妹紅2) 丑三つ時(妹紅ver)(妹紅2慧音2) ダブルホーン(萃香ver)(萃香3慧音1)
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スカーレット姉妹vs八雲紫 お題は具合の悪くなったパチュリーの看病。 紅魔館の一室。風邪で寝込むパチュリーの横には全裸のレミリアが転がっていた。 酔いつぶれたせいもあるが、酔った勢いでパチュリーから吸血し、風邪がうつってしまったのである。 しかしレミリアが風邪程度でどうにかなるとは考えられなかったため、放置されていた。 フランはというと「バイキンを全部やっつければ風邪も治るよね!」と主張し、パチュリーに能力を使おうとした。 仕方がないので紫の能力でフランの身長をミクロサイズにし、体内で直接病原体と戦ってもらうことにした。 「なんだか苦労してるわねえ」 パチュリーの汗を拭きつつ話しかける紫。 「……慣れてるから。さすがに妹様が身体の中にいるのは不安だけど……」 「あのサイズならさすがに心配ないと思うけどね」 額に乗せたタオルをひっくり返す。 すっかり温くなっていたので、洗面器の水にひたして絞りなおした。 「……意外に慣れてるわね」 「真似事よ。藍が時々弱った妖怪を拾ってくるから」 のどかな空気が流れる中、レミリアがのっそりと起き上がった。 そのままパチュリーに近寄ると、思いっきり首筋に噛み付く。 「ちょ、ちょっとレミィ……!」 じたばたもがくパチュリーを押さえつけ、たっぷり30秒ほどたってからようやく口を離した。 「一体何のつもり?」 紫が咎めるような視線を向けるが、レミリアは悪びれたそぶりも見せずに言った。 「さっきのを返しただけよ。本当はミルクの方がいいらしいけど、病人を興奮させるものじゃないしね」 「今日は貸してあげるわ。たまには誰かの世話を焼くのも悪くないでしょ」 ちろりと赤い舌を見せると、レミリアは部屋から出て行った。 「レミィはいつもやることが唐突で困るわ」 気まずそうに顔を背けるパチュリー。 「血液経由で病原体を引き受けて、自分で免疫を作って返した……のかしら。器用なものね」 「レミィの能力はブラックボックスだから。あまり深く考えてなかった気もするけど」 「まあ、もうしばらく居させてもらうわ。あの小さな子が戻ってくるまでここを離れるわけにはいかないし」 「思い出させないで……」 パチュリーはため息をついた。 スカーレット姉妹試合放棄につき、勝者紫 パチュリー フランドール レミリア 体調変化 姉妹 癒す 紫